成長
金沢大学ラグビー部は私に、4年という歳月で人とチームは大きく成長するのだと教えてくれました。
団体競技を経験したことがない私は、高校時代ニュージーランドで生活する中で、現地の人々が熱狂するラグビーという競技に興味を持ちました。大学ではきっとラグビー部に関わるだろう、という思いのもと金沢大学へ入学し、ラグビー部のマネージャーになりました。
はじめは、マネージャーという仕事が純粋に楽しかった。けれどラグビーというスポーツに真剣に向き合う選手をサポートしようとすればするほど、思い描くマネージャー像とは程遠い自身を痛感し、チームの運営や自身に求められる役割について悩み続けました。悩み続けたまま現役生活は終わってしまいましたが、振り返ると、私は今まで「部員全員がラグビーに全力で打ち込み、成長できる環境」を整えたいという思いから、活動をしてきたのだと気づきました。
今年、私は遠征の行程の作成・調整を主な仕事としていました。選手やスタッフが遠征について話すとき、自分たちの成長を実感した笑顔を見せてくれて、実力が出し切れなかった悔しさをあらわにしてくれるとき。私は、心の底から、このチームのマネージャーになってよかったと思えました。チームで同じ目標を持ち努力し成長してゆく仲間の姿は、胸を熱くするほど尊いものでした。私が達成したかった思いは、この時果たされたのだと思います。
4年という月日は長いようで短く、その中で人は大きく成長します。ラグビーという、チームのために全員が粉骨砕身する競技だったから、「一つになる」ことで得られる成長の尊さを知ることが出来たのです。私の4年間はこのためにありました。
チームの仲間、部長・副部長、OB.OG会、指導者の皆様と、協力しながらチームの活動をつくり上げるその一助となれたことを誇りに思います。今年、私たちのチームが貪欲に、様々な取り組みをすることが出来たのは、ひとえに皆様のお骨折りのおかげです。誠にありがとうございました。五十嵐也珠(4年・MGR)