ファミリー
感謝
11月17日の愛知学院大学戦を以て金沢に来て4年間続けてきたラグビープレイヤーを終えることになりました。この4年間で数えきれない多くの人に支えられてラグビーをすることができていました。この場を借りて感謝を伝えたいです。本当にありがとうございました。
OB・OGの方も多くの試合に駆けつけてくださり、今年は創部75周年であったため、新潟定期戦、記念式典には多くの方がお見えになり、自分たちがプレーしているこの部活はたくさんの方が紡いできたものであると感じると同時に、自分自身が所属できていることに胸が熱くなりました。
また、山本TC、栗橋部長、鈴木OB・OG会長にはたくさんのサポートをしていただきました。特に試合期になると毎週のように練習に帯同してくださる山本TCは、ついていったら本当に名古屋相手に勝てるのではないかという、北陸、国立大学というラグビー過疎地域で井の中の蛙である我々に夢を見せてくれました。毎回の練習から新たな学びがあり、味方にいたらこんなに頼もしく、パワーを持っている人を僕はみたことがありません。そんな山本TCと1年間、いや僕自身としては4年間待ち望んだ名古屋戦勝利、地区対抗出場を果たすことができず、そして自分としては試合に少ししか出ることができず、プレーでチームに貢献できなかったことを本当に申し訳ないと思っています。この4年間でラグビーは全然うまくなりませんでしたが、ラグビーというスポーツの楽しさ、影響力を学ぶことができました。これからはOBとして金沢大学ラグビー部を応援していきたいと思います。
大学に入るまで
高校まで僕は12年間サッカーをやってきました。僕が育った地域では野球の少年団に所属するか、サッカーの少年団に所属するかの2択のような選択肢の中で、初めてサッカーの体験に行ったときになんて面白いスポーツなんだと思いました。そこからサッカーの虜になり、楽しく、がむしゃらにしていたものから中学で県大会に出場し、自分の地区では負けなしであっても県大会で何もできずに終わった経験をしました。上には上がいるという現実を突きつけられました。その経験から上のやつを倒したいと思うようになり、学力も実力も自分よりはるか上の清水東高校を目指すことに決め、無事入学をすることができました。サッカー部への入部で初めの2週間の走り込みで地獄を見て、練習参加をしても自分のレベルでは全然ついていけない、自分より上のやつらがまた大会で簡単に負ける、どのステージに行っても上には上がいるということを痛感し、そのたびに自分は普通の人間、いやそれ以下の人間なのだと突きつけられました。コロナでインターハイが中止となったことであっさりと終わった高校サッカーでしたが、すごく楽しいし、この仲間とやっていたいと思えるような人たちに出会えたこと、サッカーを続けていたからこそ出会えた多くの人、スポーツの力は偉大であると感じました。
1年
大学に入学した自分はサッカー部に入りたいと思うことが無く、サッカーを引退し自然とラグビー部に入ろうと大学受験の時から考えていました。それは2019のワールドカップに魅せられたと同時にかっこいい男になりたいと思うようになったからです。
自分の予想は見事的中し入部して目の当たりにするかっこいい先輩たち。自分のラグビー初年度ということもあり、思い出が強い。
自分個人としては怪我からのスタート。股関節の怪我をしました。病院に毎週のように通いトレーナーに報告するというルーティン。楽しそうに練習し上達していく同期、自分はリハビリメニューをこなすだけの日々、正直辛かったです。そんな中毎回の練習でご飯に連れて行ってくれる上級生。その上級生が目指している地区対抗優勝。入部した当初は地区対抗がどのようなものか分かっておらず、なぜ目指しているかもわからなかった。丸山組の名古屋戦を見て南下軍の歌を聞いて金大ラグビー部の重みを知った。このままではいけないと感じ筋トレをした。わからないながらも毎日行った。筋肉がだんだんついてきて先輩に褒められるとそれが自信になった。目標は1年生で未経験だが名古屋戦に出ることであった。初めて練習試合に出たとき、自分がまた何もできないことに気づかされる。ラグビーのことを何もわかっていない。スキルもない。上には上がいる。何回も突き付けられた。夏休みが明けすぐに名古屋戦が来た。自分はリザーブユニフォームをもらったが出場の可能性はほとんどなくチームに何もできなかった。ただ河村組がここで終わってほしくなかった。みんな大好きだった。はちさんは練習後の個人練でも「おまえはすごいから」と声をかけてくれてキックの練習に付き合ってくれたし、そういちさんはずっとパスの練習に付き合ってくれた。はちさんは名古屋戦の前の試合で怪我をして名古屋戦には出場できなかった。怪我の辛さは痛いほどわかっていたつもりだったし、最後の試合に出られないとなるとその辛さは計り知れない。前日の決起集会で泣いた。泣き虫は小さいころから変わらない。試合に負けるといつも泣いていたし自分が不甲斐ないことがあると泣いていた。コロナの影響もあり、活動の期間は短かったが、こんなに感情移入できる先輩は初めてだった。ただ毎日の部活が続いて欲しかった。
試合は12-13の1点差で敗北した。1点差で負けたことが本当に悔しかった。4年生、試合に出た人たちが一番悔しいだろうと思い絶対泣かないと決めていたが翔太さんに会った瞬間に泣いてしまった。翔太さんは今まで会った先輩の中でも一番好きな先輩で、こんな先輩になりたいしこんな背中で魅せる人間になりたいと思った。大好きな先輩がこの試合で引退するとなると、悔しいのと同時に来年絶対に地区対抗に出たいと思った。
2年
1点差で負けたのが悔しくて新体制スタートから基礎練習に励んだ。抜けた先輩の穴を埋めるためには未経験の自分たちが試合に出ることが絶対となった。試合には絶対出たかったが再び怪我に見舞われた。ラグビーというスポーツの特性上しょうがないことではあるがこの年は明らかに怪我が多かった。6月には左膝の手術をしてそこからリハビリなどをして練習参加しても再び怪我をする日々。右膝半月板損傷、左手小指脱臼、右足親指脱臼、右半腱様筋肉離れ。
2年生の時は試合に出た記憶があまりない。出ても数分しか出ることができない体、復帰しなければならない焦り。まるさん、りゅうしんさん、みつさん、たくまさんにはプライベートでもたくさんお世話になったし、ここで終わるのが本当に嫌だった。名古屋戦前に肉離れをしてリザーブからのスタートとなったが前半すぐに出場し、すぐにフォワードのモールでトライをし、本当に今年はいけると思った。自分は怪我をして途中交代になった。試合は後半にトライを立て続けにとられ12-22で敗北。また届かなかった。
3年
4年生時に実習がある自分にとってはしっかり準備して臨むことができる最後の名古屋戦であった。新潟定期戦でも勝利をおさめ負ける試合も多かったものの手ごたえが多いシーズンであったと思う。自分は2年生の時の怪我を引きずりイメージと連動しない体、ラグビーをしたいと思えば思うほどまた別の怪我をしてしまうジレンマ。バックスのけが人、体調不良者が出たため試合に出場したが何もかもがうまくいかない感触で試合も1トライもできずに負けてしまった。
4年
4月から実習があり、本格的に合流したのは9月からということもあり、多くの練習試合、合宿を経験したチームはかなり成熟していた。4年生ということもあり、引っ張る立場であるがこの半年間の離脱はでかく、体力、ラグビー勘ともに落ちていた。本格的に試合に出始めたのは11月に入ってからであったが、チームに対して、金大が誇る山本ラグビーが形になっているものを感じた。バックスでも名古屋戦の分析結果から出た相手の傾向から金大のディフェンス、アタックを構築するうちにこのチームの熱量と準備なら何か起こせるのではないかと感じた。
試合当日、自分はリザーブからのスタートであった。金大ラグビーが用意できることはすべて用意して臨むことができた。試合は前半から金大のキックを使った戦略と前に出ていく金大のタックルが刺さる。早い時間帯にトライを立て続けにとって前半は金大リードで折り返す。メンバーは疲労がたまっている様子であったが情熱は持ち続けることができていた。後半も殴り合いが続く。キック、前に出るディフェンスは金大のストロングポイントであったがそれと同時に消耗が激しい。試合が進むにつれてその問題が顕著に出た。耐えきることができずに押し切られてしまった。しかし4年間で一番名古屋に対して得点を重ねることができ、東海リーグ4位とも金大は渡り合えるということを証明できたと思う。試合には負けたが悔しそうな後輩の顔に地区対抗出場が見えた。僕の夢は近いうちに達成されるであろうと思う。
バックスへ
1年生。短い間だけしか関われなかったけど君たちは原石です。金大の宝です。これから先輩になると思うのでガキ過ぎる君たちだけどきっと頼りがいのあるラガーマンになると思います。チームを引っ張っていかなければならない人もいると思います。君たちのモメンタムなら大丈夫。期待してるで!
2年生。プライベートではいつまででも後輩だけど試合になるとすごい頼りになる君たちは試合を決めることができる選手です。これからは上の世代を支えて努力の方向を間違えずに突き進んでいってください。
3年生。そうた。11月にチームで一番成長したのは君だと思います。名古屋相手のディフェンスで重要になっていたウィングの上りで素晴らしいタックルの連続。本当に感動しました。これからは最上級生。プレッシャーに弱いけど本当に頼りになる選手になったで。自信持って頑張れ!りょう。いつもはクールだけど試合になったらガンガン突っ込んでいける熱いプレー。早く戻って君のファンタジスタなプレーが早く見たいです。
同期。4年間ありがとう。最初は本当に大丈夫か?と思った君たちだけど4年になってスタッフも選手も頼もしくなりました。腹立つことも多かったけど最後の名古屋で夢を見られました。本当に行けると思った。君らとだから見られたこの景色を大事にしたいです。高木組が終わりだなんて信じられないし、1年間、いや入部してから今まで短すぎたけど本当に楽しかった。書いていると照れ臭いからここまで。
最後に
両親へ。サッカーを始めたときから、急にラグビーを始めると言い出してから今までわがままばっかり言ってきたスポーツ人生だったけど文句ひとつ言わずに応援してくれてありがとう。結局何一ついいところは見せることができなかったけど楽しんでいる自分を見ていてくれてありがとう。
怪我ばかりのラグビー人生でしたが、金大ラグビー部に出会うことができて本当に良かったです。たくさんの人に支えられてここまで来ることができました。ラグビー最高!金大ファミリー最高!4年間ありがとうございました!川口陽彩(4年・WTB)