代表決定戦を終えて

 金沢大学全学ラグビー部4年の倉田知輝です。
 先月19日の地区対抗決定戦をもって、現役を引退したという事実を実感する今日このごろです。改めて応援していただいた関係者の皆様、支えてくれた仲間や家族に感謝申し上げます。
 この1年をふり返ると、昨年の地区対抗決定戦で膝を故障し、手術とリハビリを経て戦列に完全に復帰したのが今年8月の菅平合宿だったので、試合に出れる、試合ができるということがどれほど嬉しいかがこれまで以上に分かったシーズンでした。加えて、最上級生としてチームを牽引し、模範を示して仲間を鼓舞するという役割を全うした1年でした。大学の4年間でみると、目まぐるしい変化を経験したと思います。入学式が中止となり、部活動で対人の練習ができるようになったのも夏が過ぎてからでした。普通にラグビーと関われることがどういうことかを考えさせられた時期でした。そんな時期もあったと思うと、月日の流れの早さを感じます。
 決定戦に臨むにあたって、私には相手をビビらせてやりたいという信念がありました。毎年、金沢大学が地区対抗決定戦で対戦するのは、我々よりもラグビーに費やす時間が長い学生です。今年対戦した愛知学院大学のメンバーを見ても、高校ラグビー界では名だたる学校の出身者が多数です。とはいえ、同じ学生という立場であることに変わりはありません。無論、与えられた環境(グラウンドやチームの組織など)は違いますが、決してプロの社会人の選手がいるチームと対戦するというわけではなく、あくまでも学生対学生の試合です。だからこそ、対戦相手に一泡吹かせたいという思いがあり、ある意味私の存在意義を相手に示してやろうという姿勢で試合に臨みました。
 試合が終わったとき、自然と「やり尽くした」という気持ちになりました。チームが掲げていた地区対抗出場という目的は残念ながら達成することができなかったものの、私が目標としていた「80分やり遂げる」ということは達成できました。また、同期たちと最後までグラウンドで闘い続けることができたのも嬉しかったです。この試合でまた一つ、良い人生経験ができたと思います。
 今後、私が社会人となってラグビーを続けることはおそらく無いと思います。とはいえ、ラグビーというスポーツが好きであることに変わりはありません。学生時代をふり返ったとき、ラグビーという最高の学生スポーツに深く関われたことがなによりも宝物になると思います。倉田知輝(4年・CTB)

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